和太鼓のバチの選び方 — 種類・素材・長さで選ぶ

太鼓のバチは、演奏者の手の延長のような存在です。同じ太鼓でも、バチが変われば音も打ち心地も変わります。種類が多くて迷いやすいバチですが、「用途(どの太鼓に使うか)→ 素材 → 長さ・形状」の順で考えると、自分に合う一組が見つかりやすくなります。作り手の立場から、順にご案内します。ここでは、ばち選びの基本形をご紹介します。

宮本卯之助の刻印を施したバチ
宮本卯之助の刻印を施したバチ。

① バチの種類は用途で選ぶ

和太鼓のバチは、長胴太鼓用・大太鼓用・締太鼓用・セット演奏用・担ぎ桶用と、使う太鼓によって分かれます。まずは、使う太鼓に合わせて選びましょう。

使う太鼓 バチ コレクション
長胴太鼓 長胴太鼓用バチ 長胴太鼓用バチ
大太鼓 大太鼓用バチ(重量も選べます) 大太鼓用バチ
締太鼓 締太鼓用バチ 締太鼓用バチ
桶太鼓+締太鼓のセット演奏 セット演奏用バチ 桶太鼓+締太鼓セット演奏用バチ
担ぎ桶胴太鼓(移動・行進) 担ぎ桶太鼓用バチ 担ぎ桶太鼓用バチ

迷われたら、まずはお使いの太鼓の種類とサイズをお知らせください。

締太鼓をバチで演奏する手元
同じ太鼓でも、バチが変われば音も打ち心地も変わります。

② バチの素材で選ぶ — 樫・メープル・朴・桧の音色

バチの素材は、音色と打ち心地を大きく左右します。宮本では主に樫・メープル・朴・桧の4種を扱っています。

  • 樫(かし) — 硬いバチの代表格。折れにくく重さも均一で、長く打ち込む現場の定番です。乾いてシャープなふち打ちが得られます。
  • メープル — 樫より少し軽く、樫よりも胴に優しく、朴や桧よりシャープなふち打ちが得られる「間」の素材です。太鼓セットの演奏にも近年人気です。
  • 朴(ほお) — 粘りのある木質で割れにくく、やわらかいふち打ちが得られます。桧に比べ求めやすい価格も魅力です。
  • 桧(ひのき) — 軽く、手になじむ触感。やわらかく、しなやかなふち打ちが得られます。能楽や長唄の現場でも長く用いられてきたことから、バチ材として特に上質とされる素材です。

音色の傾向は、樫 → メープル → 朴 ≈ 桧 の順に、シャープで硬い打音から、やわらかく優しい響きへと移っていきます。

胴へのやさしさも、選ぶ目安に

樫は硬い素材のため、強いふち打ちや長時間の使用では、太鼓の胴に負担がかかることがあります。シャープで乾いたふち打ちの輪郭なら樫、胴への負担を抑えたいならメープルや、やわらかい朴・桧、というふうに目的に合わせて選ぶのがおすすめです。長く大切に使う太鼓ほど、この視点も加えてみてください。胴や皮については、太鼓の皮についてもあわせてご覧ください。

バチをすべて見る

③ バチの長さ・太さで選ぶ

バチの長さは、太鼓の大きさに合わせるのが基本です。下表は目安です。

用途 バチの長さ(目安)
御囃子・締太鼓 32〜36cm
長胴太鼓(1尺6寸まで) 〜42cm
長胴太鼓(1尺8寸以上) 44cm以上
大太鼓 48・50・51・53・55cm
三宅太鼓 50cm(太さ32〜34mm)

太さは、軽快に打ちたいなら細め、力強く打ち込みたいなら太めが目安です。同じ長さの中では、まず中間の太さを基準に選ぶと迷いにくくなります。

④ 形状で選ぶ

  • 両側面取り — 両端どちらでも打てる仕立て。
  • 片側面取り無 — 片端は元のままの仕立て。
  • テーパー — 先端に向かって細くなり、振り抜きの軽さと先端の張った音が得られます(テーパーバチ)。
  • 秩父型 — 秩父屋台囃子を舞台用に編集した演目の囃子でよく用いられます。

名入れ・持ち運び

長く愛着を持ってお使いいただけるよう、バチへのレーザー名入れ(¥500〜)も承っています。持ち運びにはバチ袋もどうぞ。

バチ名入れ

バチを選ぶ・相談する

用途・素材・長さのどれから決めても構いません。お使いの太鼓と、出したい音のイメージをお知らせいただければ、用途に合う一組をご案内します。

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文久元年(1861年)から太鼓とバチをつくり続けてきた宮本卯之助商店が、あなたの一打をお手伝いします。

※バチはいずれも、1組(2本)の金額です。