神輿・山車の修理・修復のご案内
神輿は、御霊を載せて遍く氏子地域を渡御することで地域の繁栄や安寧を願うものであると同時に、荘厳な意匠の神輿による勇壮な渡御は祭の華とも呼ばれ、地域社会の繋がりを強めるものでもあります。屋外の様々な環境で渡御される神輿は、適切な時期に修繕を行うことで、世代を超えて受け継いでいくことができます。
文久元年(1861年)創業の宮本卯之助商店は、神輿の製作とともに、修理・復元のご相談を承っています。製作で培った木地・漆・錺金具の技をもとに、一基ずつ状態を見て修理方法のご提案を差し上げます。神輿はもちろん、山車の修理・復元も承っています。これまでにも文化財指定の神輿や山車を含め、弊社以外の作り手による神輿・山車の修繕も多数手掛けて参りました。「担ぐと屋根が振れる」「漆や金具が傷んできた」——そうお感じになったら、ぜひご相談ください。
神輿の修理・締め直しが必要なサイン
修理の時期は、神輿の使用年数や担ぎ方によっても変わります。次のような状態は、見直しの目安です。
- 担いだときに、屋根が胴・台輪に対して左右へ大きく振れる(締め直しのサイン)
- 漆に割れ・剥がれ・くすみがある
- 錺金具のメッキが剥がれている、鳳凰の尾や蕨手(わらびて)が折れ・ゆがみを生じている
- 木地の緩み・ガタ、彫刻の欠けや傷み
- 久しく蔵から出していない/祭礼を控えている
とくに屋根の振れは、安全に関わる締め直しのサインです。破損が見えなくても、気になる点があれば早めにご相談ください。
神輿の修理・修復の内容(締め直し・部分修理・総修理)
神輿の状態とご予算に合わせて、締め直し・部分修理・総修理と、規模を分けてご提案します。目安として、締め直しは10年に一度ほど、総修理(全体)は20〜30年に一度ほどですが、担がれ方や保管状況によって変わります。
- 締め直し — 神輿や山車の木地は経年で痩せていくことで、接合部の緩みが生じてきます。屋根を外して部材ごとに点検し、緩みを締め直します。安全に担ぐための基本の修理です。
- 部分修理 — 特定の部分に集中して修理を行います。漆の塗り直し、錺金具のメッキ付け直し・補修、木地の補修、金箔の押し直しなど、傷んだ箇所を選んで直します。傷みの状況と祭礼の予定をふまえ、優先順位を整理してご提案します。構造補強や屋根形状の変更など、部分修理の内容は多岐に渡ります。
- 総修理(全体) — 神輿の金具を全て外し、漆を剥いで神輿を分解し、木地の補修、漆の下地・塗り直し、錺金具の補修と金メッキ、金箔の押し直し、組み直しまで、いわゆるオーバーホールを行います。
宮本では木地師・塗師(ぬし)・錺師(かざりし)など、多くの専門の職人が社内で連携することで万全の修復を行う体制を整えています。製作で培った技をもとに、次の世代で活躍するように神輿や山車を蘇らせます。
釘を使わない組木だから、受け継げる
宮本の神輿は、主要な構造に釘を使わず、組木で仕立てます。だから状態を確認しながら、必要な範囲で分解し、傷んだところを直して組み直せます。
宮本で謹製した神輿には、神輿師の名を冠した「宮本重義」の作人札がつけられます。これは「技を重んじる」という社是を神輿の作人名として冠したものです。修復のために分解すると、製作に携わった先人の仕事や、過去の手入れの跡が現れます。一基の神輿が歩んできた時間を受け継ぎ、その続きを、丁寧にお預かりします。
昭和25年(一之宮・二之宮)と昭和28年(三之宮)に浅草神社の御本社神輿を謹製し、平成8年にはその三基の大修復を手がけるなど、多くの神輿を手がけてきた宮本に、ぜひご相談ください。
山車(曳台)の修理・復元も承ります
東京の祭礼も、明治中期までは山車祭礼でした。宮本では江戸型山車の制作や修復をはじめ、様々な山車の修復も手がけております。山車は、源氏車・木地・錺金具・人形や太鼓など多くの部材からなり、巡行を重ねるうちに経年で傷んできます。修理では、安全な巡行を第一に、各部を補修・補強や新規交換を行いながら、制作当時のように甦らせていきます。
山車は地域や形式によって構造が大きく異なりますので、写真・寸法・所在地・祭礼の予定日をお知らせいただければ、お直しの内容をご案内します。
神輿修理の費用・納期について
修理・修復の費用は、神輿・山車の大きさと傷み具合、修理の規模によって大きく変わります。正確な費用と納期は、現物を拝見したうえでお見積りします。全国どこへでも、お伺いしての調査も承りますので、お気軽にお申し付けください。
修復は、規模によってお時間をいただく仕事です。祭礼に間に合わせたい場合は、本番の時期から逆算して、お早めにご相談ください。
ご相談の流れ
- 状態をお知らせください — 神輿・山車の写真(全体・屋根・胴・台輪・金具・傷んだ箇所)と、おおよその寸法(台輪の大きさなど)、制作年や修理履歴が分かればあわせてお問い合わせください。お電話・ご来店でも承ります。
- 調査・お見積り — 写真や現物の調査をもとに、現状と修理計画、お見積り・納期の目安をご案内します。
- お預かり〜修理〜お納め — お預かりして職人が修理・修復し、お納めします。
ご相談・お見積り
神輿・山車は一基ずつ、歩んできた時間も状態も違います。写真と寸法をお送りいただければ、現状の見立てと、現物調査の要否・修理の進め方をご案内します。受け継いでこられた一基を、次の世代へ。
写真で修理を相談する / 神輿のものづくりを見る / 山車のものづくりを見る
文久元年(1861年)から祭を支えてきた宮本卯之助商店が、神輿・山車の修理・修復を承ります。