製品について-神輿

宮本の神輿は木工、金工、漆工など、
二十に及ぶ諸戦の手ではじめて誕生します。
視線を一身に集める祭りの華の粋と豪者と、
担ぎ手の心意気に応える堅牢さこそ、
その命です。

神輿の種類

  • 神輿

    宮神輿と町神輿

    神社の神輿を宮神輿、町会のお神輿を町神輿と呼びます。
    一般に宮神輿は町神輿よりも大きく、品格と重厚さを持つのが特徴です。
    他方で町神輿は宮神輿に倣いつつ、町ごとの特色を出す為に装飾に拘り様々な意匠が凝らされてきました。

    神輿の型と選び方

    神輿の種類は、屋根の形状と塗りの種類によって大別されます。
    屋根は神社のご社殿の屋根形状を踏襲する事が多く、延型と唐破風型が最も一般的です。塗りについては、屋根のみを漆塗りした白木品と、屋根以外も漆で仕上げた漆塗品があります。この4種を基本として、様々な意匠を凝らしていくことでお客様だけのお神輿が完成します。

屋根形状 屋根延型 直線的な軒形状。
屋根唐破風型 唐破風の軒面が美しい曲線。
六角・八角・八ッ棟 野地面を複数持つ屋根や、棟が複数ある屋根など特殊な形状。
三社型 なだらかな勾配の延屋根と屋根下の隅木から伸びる蕨手が特徴。
塗り 白木品 木材本来の美しさを最大限に活用。
漆塗品 朱と黒の塗りで厳かにして豪華な印象。
屋根色 呂色仕上げを施した黒漆は何層にも塗り重ねた奥行を感じさせる艶やかな仕上がり。
黒梨地 金・銀・錫などの粉を蒔き、漆を塗り重ね、粉が露出しない程度に磨く技法。
その他 螺鈿や銅版葺き、彫金などを施す。
台輪 角台輪 オーソドックスな箱型。
三味線胴 側面に曲線をもたせた形状。真鍮板葺きなど、様々な技法や意匠を凝らす。
飾紐 普通品 麻芯の上にクッション性の高い素材を使用する事で 伸び難く柔軟な芯地を作り、堅牢染を施した唐打組の糸で 二度組に包んだ特別仕様。色落ちや日焼けに強い飾紐です。
網掛け 普通品の上に一編一編手作業で七宝編を施した、見た目にも美しく丈夫な飾り紐です。

神輿の部分名称

神輿の部分名称

神輿新調のポイント

  • 神輿の大きさ

    担ぎ手の人数や渡御の場所、距離等に応じて最適な神輿の大きさは異なります。お客様に合った寸法をご提案致します。

    神輿の大きさ
  • 屋根形状と色

    屋根は神輿の命。
    延型や唐破風型などの型は氏神様のお社に倣うのが一般的ですが、塗りはお客様のお好みで。すっきりと優雅な曲線が宮本の神輿の特徴です。

    • 延型

      延型

    • 唐破風型

      唐破風型

    • 八ッ棟型

      八ッ棟型

    屋根形状と色
  • 木地製作

    何十年と時を経ても堅牢さを失わないように、目の見えない所にこそ誤摩化しのない仕事が求められます。木地作りこそ、宮本の培ってきた技術の粋が表れます。

    木地製作
  • 漆塗り

    下地作りから上塗りまで、27の工程を経て完成する漆塗り。木地同様、目に見えない工程だからこそ大切な工程です。

    漆塗り
  • 錺金具

    錺金具によって神輿は一気に華やかに変貌を遂げます。表面からタガネで柄を打ち込む平彫り。裏面から叩き出す地彫り。特に地彫りの重厚感はその手間に相応しい立体感を神輿に与えます。伝統的な図柄だけでなく、御誂えの図柄の製作も可能です。宮本では24金のメッキを直付けするため、本金メッキならではの光沢と艶を放ちます。

    錺金具
  • 彫刻

    厳選された国産欅材を利用し、四神や十二支など様々な意匠を彫り出します。土地の由来や伝説など、お客様のご要望に合わせて図案から作成致します。

    彫刻
  • 付属品

    飾紐や瓔珞など、様々な部品も神輿を新調する醍醐味の一つです。七宝の瓔珞や、町会名を入れた棒先金具など、神輿をより華やかに飾る意匠をご提案致します。

    付属品
  • 組み上げ

    各職の手を経た神輿の各部は最後に組み上げられ、美しい神輿が完成します。工業製品と異なり全てが一点ものの部品を組上げるには職人の感性と技術が求められます。

    組み上げ

お客様のご要望を伺い、後世に受け継がれるに相応しい神輿になるようにご提案させて頂きます。お客様と共に理想の神輿を考えることで、単なるもの作りを超えて、お客様のお祭の保存と発展のお役に立つのが宮本の願いです。

飾紐の掛け方

  • 飾紐の掛け方

    1飾紐を半分に折り、左右の長さをそろえる。

    飾紐

    2大鳥の足元に掛けて交差させる

    鍵盤

    3それぞれ左前にして締める。

    上から見た図

    4左図の番号の順に掛ける。

  • 神輿飾紐ご購入の際の参考のために

    ご購入になりたい飾紐の寸法がわからない場合は、右図の通り寸法をお測りのうえ、下表をご参照ください。
    表の寸法と見較べて近い寸法が該当するものです。
    お測りになった寸法が表の寸法の中間くらいの場合は、大きい方の寸法でご購入になるほうが無難です。

    • 神輿寸法
      計算寸法
    • 24cm(8寸)用
      65cm
    • 30cm(1尺)用
      75cm
    • 33cm(1.1尺)用
      82cm
    • 36cm(1.2尺)用
      90cm
    • 39cm(1.3尺)用
      100cm
    • 45cm(1.5尺)用
      120cm
    • 神輿寸法
      計算寸法
    • 54cm(1.8尺)用
      140cm
    • 60cm(2尺)用
      157cm
    • 69cm(2.3尺)用
      176cm
    • 75cm(2.5尺)用
      188cm
    • 84cm(2.8尺)用
      212cm
    • 90cm(3尺)用
      228cm
    寸法の測り方

    【寸法の測り方】

    露盤の中心から蕨手の根元を通って棒穴の下端までをお測りください。

担ぎ棒の組み方

  • 1

    1親棒に付いている窪み(キッカマ)を上に向けて神輿台輪の棒穴に通す。その際、2カ所のキッカマが丁度棒穴の位置にくるようにセットする。

  • 2

    2棒穴に通した親棒を休台(馬)の上に置き替える。

  • 3

    3神輿台輪の内側の棒の下からくさびを打ち込み軽く 釘留めする。くさびを強く打ち込みすぎると台輪が割れるので注意する。

  • 4

    4次にトンボを親棒に付ける。
    トンボにはダボ(出っ張り)があり、親棒にはダボ穴があるのではめ合わせる。はめ合わせた箇所は麻紐で固定(箱結び)してから水を掛ける。

  • 5

    5同じようにトンボと脇棒のダボとダボ穴をはめ合わせて麻紐で固定して完了となる。

神輿の取り扱いについて

取り扱いについて

  1. 1. 神輿の錺金具は先端のとがった物が多いので、怪我をなさらぬよう取り扱いには十分ご注意ください。
  2. 2. 飾紐をかける際は小鳥、風鐸(ふうちゃく)、瓔珞(ようらく)など付属品を外し錺金具の隅に紐を引っかけることのないようご注意ください。
  3. 3. 担ぎ棒を取付ける際、楔(くさび)を強く打ちこみ過ぎると台輪にひびが入る事がありますのでご注意ください。
  4. 4. 神輿の錺金具は真鍮製又は銅製の為、塩分で腐食しやすい素材です。 汗をかいた手で触れたり、塩や酒をかけないようご注意ください。 万が一、塩や酒がかかった場合は真水で洗い流し乾いた布で十分に拭き取ってください。
  5. 5. 神輿の屋根裏など金箔部分は金箔の性質上、大変はがれやすくなっております。 金箔部分には触れないようにしてください。
  6. 6. 渡御の際には、神輿本体と瓔珞・風鐸の保護の為、瓔珞・風鐸を取り外して頂く事をお勧めいたします。(祭礼によっては伝統的に瓔珞・風鐸を取付けたまま担ぐ場合もあります)
  7. 7. 鈴は渡御中に紐が緩む場合がありますので頻繁にご確認いただき緩んだときは結び直すようにしてください。

手入れ方法

祭礼終了後はそのまましまわずに、手を触れた部分や汗が付着したと思われる部分を、お湯を通して硬く絞った布で良く拭き、その後乾いた柔らかい布で十分に水けをふきとってください (ただし金箔部分は絶対に拭かないようにご注意ください)。
神輿の錺金具は全て金メッキ加工を施してありますので、真鍮磨き等の研磨剤では磨かないようご注意ください。

保管方法

  1. 1. 神輿は乾燥、湿気共にあまり強くない所で風通しがよく直射日光の当たらない場所に保管してください。
    (冷暖房を使用している部屋での保管は神輿の木地にやせを生じさせたり、漆の退色を進行させるためお勧めできません。)
  2. 2. 神輿は、上記神輿の手入れ方法に従って清掃後、埃などが直接付着しないよう紙又は布で包んだのち、収納箱(木製)に入れて保管する事をお勧めします。
    (プラスチック容器、ビニールなど通気性のない物では包まないようご注意ください)
    ※雨などで神輿本体が濡れた場合は乾いた布で十分に水分を拭き取り、風通しの良い場所で陰干ししてから上記の手順で保管する事をお勧めします。
  3. 3. 神輿本体や飾紐が濡れた場合は、風通しのいい場所で本体は1ヶ月程、飾紐は3ヶ月程、陰干ししてから収納してください。
    (紐の太さや濡れ具合によりますが紐の芯まで十分に乾燥するまで、3 ヶ月〜半年を要する場合もあります)

神輿は高く担ぎあげる為、部品が落下すると大変危険です。
神輿の定期的な点検を行い、異常が発見された場合は速やかにご相談ください。
ご用命いただければ、無料出張お見積もりのうえ修理内容のご提案をいたします。